ギターボーカルなら、唇がマイクに当たった時にバチッ!となる現象を誰もが経験していることでしょう。この正体、実は「感電」なんです。
ライブハウスではPAの方に伝えれば対処してくれるかと思いますが、スタジオ練習の際や、ライブハウスのPAが新人で知識がない場合にも対処できるように、原因と解決策について解説していきます。
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■原因
二つの物の間に電位差があると、電気が流れます。そして、マイクはもちろん、アンプに接続したギターに触れている「自分の体」にも電位が生じています。つまりこの唇がマイクに触れてバチッとなる現象は、「電気に接続した楽器に体が触れている人」がマイクに触れた時に感電する(=電気が流れる)というものですので、ベースなど他の楽器の方がマイクを使う際にも起こる可能性があります。
(余談ですが、唇ではなく歯に当たると全身に電撃が走るような感覚になります。初めてなった時は恐怖でロクに歌えませんでした、、、
高校生の頃に通っていたスタジオの店長は若いころに、それを罰ゲームに使う悪魔の遊びをしていたそうですが、海外では感電による死亡事故も起きているので止めましょう、、、)
■対処法
この感電を防ぐためには二つの電位差を失くす必要があります。一般的に、電気を逃がして地面と同じ電位(0V)にするアースという処理をマイク側とアンプ側の両方に行うことで感電を防ぎますが、うまくアースが取れておらず感電してしまうケースが多々あります。
様々なシーンを想定して、4つの対処法をお伝えしていきます。
①アースする
基本的には、やはりしっかりアースをとることをオススメします。アースは、マイク側とアンプ側の両方で行う必要がある点に注意してください。
最も簡単な方法としては、3Pコンセント(差込口が3本あるコンセント)を使うことです。たまに見かける、普通のコンセントに丸い棒が1本増えたコンセント、あれが実はアースの役割をしてくれるものだったんですね。2Pコンセントでも、アース線がちょろっと付いているタイプもあります。ただ、これを使うには差す側も受け側も対応した形である必要があります。
つまりよくある例で言うと、マイク側としてはPA(ミキサーシステム)のコンセント、アンプ側としてはアンプのコンセントが上記のようなものであれば良いということですね。
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②電位差をなくす
コンセントが対応していないときにはアースができませんが、「マイクとアンプの電位差をなくす」ことで感電を防ぐことができます。
方法は、ワニ口ケーブルなどの配線によりマイクとアンプを繋ぐだけでOKです。具体的に繋ぐ場所としては、マイク側ではマイクケーブルの金属部分やPA機器のケーブル差込口、アンプ側ではギターシールドの金属部分が良いでしょう。ライブハウスなどではアンプの前にマイクがあるかと思いますので、ボーカルマイクではなくそのマイクとアンプを接続しても大丈夫です(同じシステムに繋がっているはずなので)。また、アンプのダイレクトアウトとミキサーをシールドで接続する方法でも電位差をなくすことができます。
③マイクカバー(ウィンドスクリーン)
①や②をやるのは面倒、またはやってみたけどなかなか上手くいかないという場合に有効なのが、マイクにかぶせるタイプのウィンドスクリーンを使う方法。タ〇リさんが使ってるイメージの丸いスポンジみたいなやつですね。
安く購入できますしとってもお手軽なんですが、なんと言ってもダサい(笑)。私も以前使用していましたが、ダサすぎて止めました。けどスタジオとか家で使う分には非常に重宝しますよ!
ちなみに元々は、感電を防ぐためというよりは風の音とか雑音を取り除くためのものです。本来の目的としてもいい働きをしてくれます!
これくらいの安いので十分です。
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④コンセントの差し方を変える
2Pコンセントでも、左右逆に差してみたり、違う場所のコンセントに差してみたりすると、電位が変わって改善される可能性があります。なぜかと言うと、二つの端子はどちらも同じように見えて実はホット(+)とコールド(-)という様に役目が分かれていて、正しい向きが一応存在するんですね。また、コンセントの場所を変えると電位差が近づき感電が和らぐ可能性もあるということです。
ただこれは不確実な方法ですし、経験上あまり効果が出ない場合がほとんどでした。それでもたまに感電の度合いが弱まったりするので、どうしても他の策が取れない場合は試してみてください。
感電がひどいと、集中して演奏できなくなります。スタジオでもライブハウスでもしっかりと対処して、万全の状態で演奏しましょう!