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【ギタボ塾】その4:バッキングの工夫

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ギターボーカルのあなた、バッキングは簡単だから、、と、何も考えずに単調な演奏をしていませんか?バンド全体の雰囲気がうまく出ないのは、もしかしたらあなたのせいかもしれません。

ギターボーカルのバッキングギターは、曲の雰囲気を表現するのに大きく貢献しています。ただテンポに合わせて弾くだけでなく、細かい表現の違いにも気を配って多彩な響きを演出していきましょう。

今回は、バッキングのレベルを上げるためのチェックポイントや表現方法をいくつかお伝えしていきます。

 

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■強弱

 

バッキングの強弱を変化させることで、バンド全体の勢いを調節することができます。

右手の力具合を調節するだけでも響きはずいぶん変わります。音量や歪みをあげるにはエフェクターを使うのももちろん有効ですが、右手の力加減はエフェクターと一味違う変化をもたらします。主に「アタック感」の強弱ですね。荒々しさや焦燥感といった印象を操ることが出来ます。

サビなどの大きなまとまりだけでなく、1小節のなかで強弱に差をつけるのも非常に有効です。この場合はテンポ感やノリが強調できます。

感情の昂ぶりと直結する部分になりますので、強弱に関しては特に繊細になりましょう。

 

 

■高音弦と低音弦

 

ギターには6本の弦がありますが、毎回全部を鳴らす必要はありません。全部の弦を弾くのと比べて簡単に言うと、低音弦だけ鳴らせば重い響き高音弦だけ鳴らせば軽い響きとなります。

どんな音を鳴らそうとするかにもよりますが、あまり厳密に何弦から何弦までを弾くと決める必要はありません。ざっくり低音側中心・高音側中心に弾いてみるのを織り交ぜるだけで、「響き」「リズム」が与えられます

よく使えるのは、「ジャジャジャジャ」と1小節に4回ダウンストロークするときに、三回目だけ高音中心で他は低音中心に弾くというパターンですね。特に決まりはないのですが、まとまったフレーズの中で、序盤が低音中心、後半が高音中心になる方がしっくりくる場合が多いかと思います。

また、狙った弦を弾く(あるいは狙った弦だけ弾かない)ことができるようになると、左手の押さえ方が楽になる場合もあります。無理にミュートしなくていい弦が出てくるというわけですね。

自分がどの弦を鳴らしていてどの弦を鳴らしていないのかはなるべく意識しておくようにしましょう。

 

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■速度

 

コードを1回鳴らす、と一口に言っても、「ジャッ」と一瞬で弾く場合と「ジャラララララ」と1弦ずつゆっくり弾く場合では全然違います。もちろん曲のテンポや弾く(弾き始める)タイミングは一定のままで、ストローク速度のみを変えるということです。基本的には全ての弦をほぼ同時に鳴らすかと思いますが、ゆっくり鳴らす場合を織り交ぜることで独特の溜めや広がりが生まれます。

また、1回のストロークではなくまとまったフレーズでのストローク頻度という意味でも工夫をしてみましょう。例えば、「ジャーン ジャーン ジャーン ジャーン」というように4回鳴らすフレーズが続いている中で、ドラムのフィルなどに合わせて「ジャーン ジャーン ジャーン ジャカジャカ」というように7回鳴らすパターンを混ぜてみるとバンド全体の一体感が生まれます。

 

 

 

ストローク方向

 

ダウンストロークとアップストロークどちらを用いるかによっても、響きは若干変わってきます。言葉で表すのはなかなか難しいですが、ダウンストロークの方が低音の印象が強く、アップストロークの方が高音の印象が強いといったところでしょうか。これは弦を鳴らす順序や力のかかり具合が変わるために生じる差だと思います。

特に、一定のリズムで刻むフレーズをオルタネイトで弾くかダウンストロークのみで弾くかにもこだわりを持ってみましょう。両者の違いを言葉で表すと、オルタネイトだと「ジャカジャカ」ダウンストロークのみだと「ジャジャジャジャ」というイメージです。ダウンストロークのみの方がフレーズに疾走感(せわしなさ)を与えることが出来ます。

(もう少しちゃんと言うと、オルタネイトの場合は「ジャカ」と2回鳴らす際に「6⇒5⇒4⇒3⇒2⇒1 1⇒2⇒3⇒4⇒5⇒6」という順序で弦を鳴らすことになり、2音の切り替わり前後で鳴らす音が同じになってしまうためふたつが繋がった響きになりやすいわけです。ダウンストロークの「ジャジャ」だと「6⇒5⇒4⇒3⇒2⇒1 6⇒5⇒4⇒3⇒2⇒1」という順序で弦を鳴らすため2音の切り替わりがはっきりするんですね。)

 

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アルペジオ

 

バッキングではなくアルペジオに変えてしまうという選択肢も場合によっては悪くないと思います。コピーしたい音源より楽器の数が少ない場合やとても単調な曲である場合に、バッキングを一部アルペジオに変えてみると鮮やかさや変化を生み出すことができます。バッキングの中に少しだけアルペジオを混ぜるというのも、聞いていて飽きなくなるため非常に有効です。

また、「高音や低音を中心に弾く」というものの応用編として、適当アルぺジオというのもなかなか雰囲気が出るのでおススメです。1弦だけ鳴らすことにこだわらずザックリとピッキングして複数弦鳴らすことで、アルペジオより厚みがありバッキングより変化のある表現が可能となります。これを行うときは、鳴らす予定の弦以外も含めて左手で正しいコードを押さえておくことが重要です。

 

 

 

このように、バッキングギターの細かい表現方法に気を配ることでバンド全体の完成度は大きく変わってきます。それがギタボのバッキングのおかげだ!と気づいてもらえる機会はなかなかないかもしれませんが(笑)、何も考えず弾くのと比べてみれば一目(一耳?)瞭然かと思います。

感情に訴えかけるような多彩な響きを目指して試行錯誤してみましょう!